税理士コラム
子育て世帯に対する住宅ローン控除の拡充
- 投稿日:2024年08月13日
2024年度税制改正では、経済社会の構造変化を踏まえ、子育て世帯及び若者夫婦世帯に対する住宅ローン控除を拡充します。
子育て世帯等における借入限度額について、新築等の認定住宅については500万円、新築等のZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅については1000万円の上乗せ措置を講ずることとなりました。
なお、「ZEH水準省エネ住宅」とは、日本住宅性能表示基準の「断熱等性能等級5」かつ「一次エネルギー消費量等級6」に適合する住宅のことをいいます。
子育て特例は、
・夫婦のどちらかが40歳未満であって、年齢19歳未満の子ども(扶養親族)がいる者が、
・認定住宅等の新築等をして2024年1月1日から同年12月31日までの間に居住の用に供した場合、
・引き下げる予定だった住宅ローン等の年末残高の借入限度額を、現行水準のまま2024年も維持して特例の適用ができる
ものです。
その他の世帯については、2024年から予定通り引き下げることになります。
子育て世帯等の減税対象となる借入限度額は、
・「認定住宅」が5000万円
・「ZEH水準省エネ住宅」が4500万円
・「省エネ基準適合住宅」が4000万円
です。
また、認定住宅等の新築や認定住宅等で建築後使用されたことのないものの取得に係る床面積要件の緩和措置(床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満にも適用)については、2024年12月31日以前に建築確認を受けた家屋についても適用できることとします。
特例対象家屋リフォーム支援税制も見直し
子育て支援では、リフォーム支援税制も見直されます。
子育て特例対象の個人が所有する居住用の家屋について一定の子育て対応改修工事をして、その居住用の家屋を2024年4月1日から同年12月31日までの間に居住の用に供した場合を適用対象に追加し、その子育て対応改修工事に係る標準的な工事費用相当額(250万円を限度)の10%相当額をその年分の所得税の額から控除できることとします。
子育て対応改修工事
「一定の子育て対応改修工事」とは、
(1)子どもの事故防止のための工事
(2)対面式キッチンへの交換工事
(3)開口部の防犯性を高める工事
(4)収納設備を増設する工事
(5)開口部・界壁・床の防音性を高める工事
(6)間取り変更工事
であって、その工事に係る標準的な工事費用相当額(補助金等の交付がある場合には、補助金等の額控除後の金額)が50万円を超えること等一定の要件を満たすものをいいます。
- カテゴリ:税理士コラム
税理士コラム
確定申告不要のワンストップ特例制度とは
- 投稿日:2024年07月01日
ふるさと納税は、自身の選んだ自治体に対して寄附を行った場合に、寄附額のうち2000円を超える部分について、所得税及び個人住民税からそれぞれ控除が受けられる制度です。
ふるさと納税に係る控除額の計算は
(1)所得税は、「(ふるさと納税額-2000円)×所得税率(5%から45%)」が控除額(なお、所得控除の対象となる寄附金の額は、総所得金額等の40%が上限)
(2)個人住民税(基本分)は、「(ふるさと納税額-2000円)×10%」を税額控除
(3)個人住民税(特例分)は、「(ふるさと納税額-2000円)×(100%-10%(基本分)-所得税率(5%から45%))」が控除額
上記(1)及び(2)により控除できなかった額を、(3)により全額控除(所得割額の20%を限度)します。
なお、2013年分から2037年分の寄附については、所得税率は復興特別所得税を加算した率です。
ふるさと納税として寄附された金額について、控除を受けるためには、確定申告をする必要がありますが、2015年4月1日以後に都道府県・市区町村にふるさと納税を行った場合で、かつ、ふるさと納税以外の確定申告が不要な給与所得者については、1年間のふるさと納税の寄附先が5団体以内の場合に限り、ふるさと納税先団体に申請書を提出することにより確定申告をしなくても、この寄附金控除を受けることができます。
この制度を「ふるさと納税ワンストップ特例制度」といいます。
5団体を超える自治体にふるさと納税を行った人や、ふるさと納税の有無にかかわらず、確定申告をする人がふるさと納税について寄附金控除の適用を受けるためには、ふるさと納税の金額を寄附金控除額の計算に含めて確定申告をする必要があります。
また、ワンストップ特例の申請者が、誤って寄附金控除の適用を受けずに確定申告をした場合は、更正の請求により寄附金控除の適用を受けることができます。
寄附金控除の適用
ふるさと納税として寄附された金額について、確定申告で寄附金控除の適用を受ける場合には、確定申告書第二表の「寄附金控除に関する事項」の「寄附先の名称等」欄及び「寄附金」欄にふるさと納税先団体名及びふるさと納税として寄附された金額を記載するとともに、「住民税に関する事項」の「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」欄にふるさと納税として寄附された金額も必ず記載する必要があります。
- カテゴリ:税理士コラム