税理士コラム
インバウンド需要等で上昇率は過去最大 ~令和7年路線価~
- 投稿日:2026年04月07日
全国平均は4年連続で上昇
国税庁は、相続税や贈与税の算定基準となる令和7年分の路線価を公表しました。
全国平均は前年に比べて2.7%増加し、4年連続の上昇となっています。
上昇率は、現在の評価基準額の計算方式が導入された平成22年分以降で最大となりました。
主な要因としては、都心部を中心とした住宅マンション価格の高騰、オフィスやホテルを含めた再開発の影響、さらに訪日外国人(いわゆるインバウンド)向けリゾート施設の需要拡大が挙げられます。
都道府県別では35都道府県が上昇
標準宅地の変動率を都道府県別に見ると、前年より6県増加し、35都道府県で上昇しました。一方、下落したのは12県で、前年より4県減少しています。
上昇率が最も高かったのは東京都で、前年比プラス8.1%となり、前年を2.8ポイント上回りました。
反対に、下落率が最も大きかったのは奈良県で、前年比マイナス1.0%となっています。
路線価の最高額は、40年連続で東京都中央区銀座5丁目銀座中央通り(鳩居堂前)となり、1平方メートル当たり4,808万円でした。
前年比8.7%の上昇で、過去最高額を更新しています。
主要都市の動向と上昇要因
都道府県庁所在地の最高路線価の変動を見ると、35都市で上昇しました。
そのうち、さいたま市、千葉市、京都市、奈良市の4都市では10%以上の上昇となっています。横ばいは11都市、下落は1都市のみでした。
特に上昇率が高かったのは、さいたま市大宮区の大宮駅西口駅前ロータリー(11.9%)と、千葉市の千葉駅東口駅前広場(11.2%)です。
いずれも駅周辺の再開発の影響とみられます。
京都市や奈良市では、観光需要やインバウンド需要の回復が影響していると考えられます。
震災の影響による下落
なお、令和7年分では能登半島地震後の状況が反映されています。br />
このため、甚大な被害を受けた石川県輪島市(河井町朝市通り)では、前年比マイナス16.7%と大幅な下落となりました。
路線価
毎年1回公表され、1月1日から12月31日までの間に相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税および贈与税の財産を評価する場合に適用されます。
路線価等は1月1日を評価時点として、1年間の地価変動などを考慮し、地価公示価格等を基にした価格の80%程度を目途に定めています。
路線価が定められている「路線価地域」以外にあるその他の土地(倍率地域)については「倍率方式」により評価します。
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全国の地価動向 全用途平均で4年連続上昇
- 投稿日:2026年02月27日
全国の地価の指標の一つである令和7年の公示価格が公表されました。
全国平均では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続で上昇しており、全用途の上昇率は前年の令和6年の2.3%を上回る2.7%に拡大しています。
全体的な特徴
今回の全体的な特徴としては、景気が緩やかに回復している中で、地域や用途により差があるものの、東京・大阪・名古屋の三大都市圏では上昇幅が拡大しています。また、地方圏でも上昇傾向が継続しており、全体として上昇基調が続いています。
地域別の動向
地域別に見ると、三大都市圏では東京圏と大阪圏については上昇幅の拡大傾向が継続していますが、名古屋圏では上昇幅がやや縮小しました。
また、地方圏では、札幌市・仙台市・広島市・福岡市の地方四市では上昇幅がやや縮小したものの、その他の地域では概ね拡大傾向が継続しています。
上昇率拡大の背景
上昇率拡大の背景には、主要都市部を中心としたホテルや商業施設等の需要の高まりや、首都圏はもとより万博開催地である大阪圏など各地の再開発があります。
これにより、商業地・住宅地ともに地価が上昇したほか、低金利が続き投資マインドも引き続き順調であることが影響したとみられます。
住宅地は交通と生活の利便性により、東京・大阪圏では高い上昇率を示しています。
リゾート地や観光地では、外国人向けの別荘需要や地元の住宅需要などを背景に、引き続き高い上昇となった地点があります。
そのほか、大手半導体メーカーの工場が進出している地域では、関連企業も含めた社員向けの住宅需要や、事務所・ホテル・店舗等の需要も旺盛であり、引き続き住宅地・商業地・工業地ともに高い上昇となっています。
また、大型物流施設用地等に対する需要を背景として、高速道路等へのアクセスが良好で労働力も確保しやすい工業地でも、引き続き高い上昇となった地点が見られます。
一方で、令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた地域などでは地価が大きく下落しており、変動率の明暗が分かれています。
公示価格(公示地価)とは
公示価格(公示地価)とは、地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が都市計画区域等の標準地を選定し、毎年1月1日時点の1㎡当たりの正常な価格を判定して公表している土地の価格です。
全国約2,200人の鑑定評価員(不動産鑑定士)が全国の25,500地点余りについて選定と確認を行い、分科会等における議論を経て鑑定評価した価格に基づいて判定しています。一般の土地の取引価格の指標にもなっています。
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